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京都私立病院協会について

会長挨拶

平成30年度を迎えて

平成30年5月23日に当協会第6回通常総会を開催し、平成29年度事業報告・決算、平成30年度事業計画・予算、介護医療院を定款の目的・会員に加える定款変更をご承認いただきましたことをご報告いたします。

さて、平成29年度は、平成30年4月からの診療報酬、介護報酬、障害福祉サービスのトリプル改定、第7次医療計画・第7期介護保険事業(支援)計画・第3期医療費適正化計画の施行、市町村から都道府県への国民健康保険の運営移管など、重要施策が目白押しの時に備え、大変慌しい1年となりました。
当協会では診療報酬・介護報酬同時改定に向けて要望内容をまとめ、厚生労働省や中央病院団体に要望を行いました。また、第7次京都府保健医療計画・第8期京都府高齢者健康福祉計画の策定、国保の京都府への移管等、関係する多くの審議会へ当協会が参画して意見を述べ、各々の重要施策に我々の意見が反映されるよう努めてまいりました。

そして平成30年度を迎え、現在のところ大きな混乱はありませんが、2025年問題に向けての布石が打たれたことは間違いありません。診療報酬・介護報酬同時改定の影響をしっかりと検証するとともに、少子高齢化による人口構造の変化、地域の医療需要の変化に対応した病院の機能や役割を、危機感をもって考えていかねばなりません。平成29年3月に策定されました「京都府地域包括ケア構想(地域医療ビジョン)」では、回復期機能を有する病床は、高度急性期、急性期病床からの転換を中心に、京都府全体で2025年に向けてさらに約6千床を必要とする目標となっています。在宅医療等は、現状では1日約1万3千人の提供体制に対し、2025年には京都府全体で約4万人が必要になると見込まれています。しかしながら、回復期機能をもつ病床の充実には、リハビリテーション専門職をはじめとした医療従事者の確保が必要であり、在宅医療を提供する医療従事者も大幅に増やしていかねばならず、将来の医療需要に対し、医療従事者の不足は深刻です。

京都私立病院協会では、従来から協会事業として実施してきました職能別・テーマ別の各種研修が、医療従事者の確保・養成のために必要な事業として、平成27年度から京都府地域医療介護総合確保基金の対象事業となり、研修機会・内容ともに充実を図りました。その結果、病院の全職種から多くの方々に受講頂き、各々のキャリア形成、モチベーションの向上等に繋がったことと存じます。そして、平成30年度からは本事業を病床の機能分化・連携のために必要な事業として位置づけます。2025年に向けて病院職員が一丸となって、地域に必要な病床機能、地域連携を進めていくことへの意識・理解を深めて頂くために、本事業に該当する会議・研修等で「京都府地域包括ケア構想」に関して情報提供を行う時間を設けますので、予めご了承下さい。

当協会が京都府から受託運営している京都府医療勤務環境改善支援センターでは、平成29年度より「京都いきいき働く医療機関認定制度」を本格実施し、病院全体で医療勤務環境改善に取り組む仕組みを推進しています。平成29年度末までに72病院が取組を宣言し、そのうち16病院が基本認定を受けました。勤務環境改善も人材確保・定着に不可欠な取組ですので、その一歩として本制度を是非ともご活用下さい。その他、当協会では、医師事務作業補助者の養成、離職看護師・薬剤師の復職支援(看護職つながりネット薬剤師サポートネット)等を行っており、厚生労働省の認可を得て求職者と求人者を繋ぐ職業紹介機能も有しています。こうした取組も一層強化し、必要な人材の養成・確保にお役に立てるよう尽力してまいります。

平成30年4月からの新専門医制度の開始、現在検討中の医師の働き方改革に伴う医師確保への影響が懸念されます。当協会が幹事を担当した平成29年度の近畿病院団体連合会委員会では、医師の時間外労働規制への配慮と医師の地域間・診療科間の偏在及び医師不足解消のための対策を求める要望書を取りまとめ、厚生労働大臣に要望しました。今後も動向を注視して必要な対応を行うことにしています。

京都府における地域医療構想は、医療のみならず、介護等も含めて一体的に提供する「地域包括ケアシステム」の構築を目指すことから「京都府地域包括ケア構想」と名付けられました。在宅療養あんしん病院は、その多くが会員病院であり、在宅療養中の高齢者の安心に繋がっています。また、当協会では、地域包括ケアの課題である、病院の認知症対応力向上、地域連携機能の強化、在宅医療・介護を担う人材の育成等、病院を対象とした事業の他、会員施設からリハビリテーション専門職等の派遣の協力を得て、地域の高齢者を対象とした寝たきり・認知症予防の啓発も行っており、継続して地域包括ケアシステムの推進に努めています。

「すべての道は2025年に通ず」という社会情勢において、当協会では、今後の厳しい変化に対応できる医療従事者を育成・確保するべく、各種事業に鋭意取り組むとともに、行政当局や関係機関への働きかけ・連携も密接に行い、会員の皆様が将来にわたり持続可能な運営ができ、医療・介護が必要な方々が安心して暮らせるよう、その実現に尽力いたします。

引き続き当協会に多大なるご支援・ご鞭撻を賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。

2018年5月24日
一般社団法人京都私立病院協会
会長 清水 鴻一郎