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2019年1月1日
【新年のご挨拶】京都私立病院協会 会長 清水 鴻一郎
「創立55周年に向けて実りの多い年へ」
一般社団法人京都私立病院協会
会 長 清水 鴻一郎
新年明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、健やかに新年をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。
さて、昨年は4月に診療報酬・介護報酬の同時改定が行われ、地域包括ケアの構築、医療機能分化、医療・介護連携の推進がより鮮明になった内容となり、新しい医療計画、介護保険事業(支援)計画等もスタートいたしました。地域医療構想では地域医療構想調整会議が本格化し、京都府内においては各地域の調整会議で個々の病院の現状と課題、今後の展望等について情報共有が進められています。2025年に向けて、自院の人材・医療資源等をどのように活用して地域でどのような役割を担っていくのか、その方向性をまさに進めていく段階に入りました。当協会では、本年も国、京都府、京都市の政策に対して、言うべきことは言い、協力すべきことは協力し、会員施設が今後も地域での役割をしっかりと果たしていただけるよう全力を尽くしてまいります。
また、昨年は多くの災害に見舞われました。6月の大阪府北部地震、7月から9月にかけての豪雨・台風により、会員施設でも建物・設備への被害やライフラインの一時停止、職員・家族の被災等、多くの被害をもたらしました。しかし、皆様の献身的なご尽力により医療活動への影響を最小限に食い止め、患者さんに被害なく診療を継続いただきましたことに厚く御礼申し上げます。さらに甚大な災害が発生した場合の備えをしておく必要を改めて痛感いたしましたが、現在、行政の災害関連のマニュアルには、民間病院が被災して診療継続が困難となった場合の支援要請や民間病院が医療従事者の派遣、物資等の支援を行う場合の位置づけが必ずしも明確になっていません。これに対し、災害時に民間病院も迅速且つ適切に支援要請や支援を行うことができる体制づくりを京都府・京都市に求めていきたいと考えております。
昨年も日本人が大いに活躍いたしました。本庶 佑 京都大学特別教授が画期的ながん免疫治療薬(オプジーボ)の開発に結び付くタンパク質「PD-1」を発見された功績によりノーベル生理学・医学賞を受賞し、米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手がイチロー選手以来17年ぶりとなる新人王を獲得しました。日本人の世界的な活躍に対し大変元気づけられ、我々が行う医療も世界に誇れるよう会員皆様と共に努力を積み重ねていく決意を新たにしております。
本年は、早々にゴールデンウィーク10連休への対応が喫緊の課題となっています。病院にとっては、手術件数、平均在院日数、割増賃金等の経営面や、外来患者の集中、患者の急変に備えた体制づくり等の運営面にも直接影響する問題を孕んでいます。働き方改革の観点からも連休中にフル稼働することは難しい状況であり、当協会から行政や関係団体等に問題提起していく所存です。また、10月には消費税10%への引き上げが予定されていますが、医療機関における控除対象外消費税は、増税後も従来通り診療報酬への上乗せ対応となる方向であり、施設整備、医療機器、薬剤等に掛かる消費税負担が特に大きい病院にとっては大変な打撃です。当協会では、医療機関における消費税非課税制度を仕入税額控除が可能で、かつ患者負担のない制度への改正を引き続き強く求めてまいります。
当協会は、本年10月16日に協会創立55周年を迎え、
「みんないきいき明るい病院」をテーマに記念事業を行います。将来の病院医療の担い手を確保するべく、チーム医療や医療現場の様々な職種の魅力、働きがい、働きやすさを広く発信する事業を中心に、海外の病院視察、記念スポーツ大会等も実施いたします。
職能別・課題別の各種研修、認知症やロコモティブシンドローム等の予防対策、在宅療養あんしん病院等の在宅医療・介護体制の強化、当協会が京都府から受託運営する京都府医療勤務環境改善支援センターによる病院の勤務環境改善の推進、薬剤師・看護師・看護補助者をはじめとする医療従事者確保の取組等、会員施設にとって実りの多い年になるよう鋭意取り組んでまいります。
本年も会員施設、関係各位の変わらぬご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。