毎月様々な看護現場で活躍中の看護職さんが登場し、現場の魅力を発信しています。
今から20年ほど前に、弁護士の竹下義樹先生から『目の不自由な方と一緒に走りませんか?』とのお誘いを受けました。それが「てんとうむしマラソン」で、その時に今の職場の施設長も大会運営委員をしていました。お互いの仕事についての話をするうちに、知的障害を持つ方達の世界に興味をもち、施設でボランティアをする機会を得たことをきっかけに、入職につながりました。
看護師の「関わりの姿勢」は対象が誰とはかぎらず、基本的なありかたは同じであると思っています。自分は施設の支援員とは異なった業種ですが、その人に「寄り添う」という姿勢について施設長始め同僚の職員にも理解が得られており、「福祉施設」という経験のない職場でも続けてゆけるように思います。また自分自身の生き方についての研鑽につながるという意味で、この仕事を続けてゆきたいと思います。
利用者や支援員の想いを尊重しながら、私自身の専門性を活かすにはどうすればよいかをいつも考えています。例えば、医師に専門的な判断を仰ぐ必要がある事が起こったときには、職員にもその状況を説明し理解を得るよう心がけています。 また利用者の方が怪我をしたという報告を受けた際に、その方に傷や打撲が有る無しにかかわらずあえてバンドエイドを貼ったり、湿布や両手のひらで覆う。検温を行う事で、不安な気持ちが落ち着くようになることが多いです。心のケアとでもいうのでしょうか?その手当てが利用者の方に受け入れていただけた瞬間が、この仕事の魅力のひとつと感じています。