毎月様々な看護現場で活躍中の看護職さんが登場し、現場の魅力を発信しています。
看護師になって最初の職場は外科病棟で、無事退院される患者さんを見送ることに喜びを感じていました。
1年が過ぎた頃から、終末期の患者さんへの看護を考えるようになりました。緩和ケア病棟は、患者さんへの関わり方、コミュニケーションの方法など一般病棟と看護の基本は同じですが、患者さんの思いを聴くこと、緩和医療受け入れへの支援など「寄り添う看護」が求められます。
症状緩和で使用する薬剤を覚えることも必須です。最初は何から話せばいいのか、疼痛のレベルは今どこなんだろうなど、自分の知識不足に落ち込むこともありました。
でも今は、人の命の尊さを心から感じ、患者さんの苦しみを和らげてあげたいと感じています。
緩和ケア病棟が開設されて5年目の病棟です。看護師の経験歴は自分よりずっと長い看護師の方がほとんどですが、緩和ケアの経験年数は同じ4年ということですので、その点だけは気持ちが少し楽だったりします。これから、自分がまだ経験していない分野については経験知を学ばせて頂きながら、同じ緩和ケア看護を目指すチームメンバーとして、支援し合える環境ではないかと思っています。
緩和ケア病棟の患者さんは、数年間化学・放射線療法などの治療を受け、治癒することに希望を持ち続けた患者さんと、1ヶ月前に病院を受診して「がん」という告知を受けた患者さんなど入院までの経過は様々です。それだけに、傾聴・症状緩和はより個別性が求められます。命ある最後のその日まで、その患者さんとご家族それぞれに合わせた寄り添い方・看護をすることが緩和ケアです。その人の人生の最後の瞬間に関わることができる看護師の役割は、とても大事な仕事だと感じています。これからも緩和ケア看護を続けていきたいと思います。