2023年1月1日
新年あけましておめでとうございます。皆様には健やかに新年をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。
昨年も新型コロナウイルス感染症の対応に追われた一年となりました。新型コロナウイルスの殆どが感染力の強いオミクロン株となり、京都府では8月3日に過去最多となる6,891人もの感染者が確認されるなど、猛威を奮いました。会員施設では、この間、感染者増に伴う医療提供体制のひっ迫に加え、院内でのクラスターの発生、感染者や濃厚接触者となり出勤ができなくなる医療従事者が相次ぐ等、危機的な状況を経験されたところもあると認識しています。
そうした状況の中でも献身的に医療に取り組まれ、この難局を乗り越えられた会員施設の皆様に、心からの感謝と労いを込めて御礼を申し上げます。皆様のご努力が地域の方々、ひいては民間病院の信頼の向上に繋がっていることを確信しています。
昨年9月8日に政府は、「Withコロナに向けた政策の考え方」を明らかにし、高齢者・重症化リスクのある方に対する医療の提供を中心とする考え方に転換しました。そして、新型コロナ対応と社会経済活動の更なる両立を図る新たな段階へと移行いたしました。しかし、オミクロン株にも様々な亜型が存在し、それらが出現と消滅を繰り返しながら現在も変化を続けており、季節性インフルエンザの同時流行も懸念されています。コロナワクチンも十分に供給されるようになりましたが、接種を受ける方は減少しています。このように、我々医療従事者は本年も警戒を緩めてはならない状況ですが、迅速に、臨機応変に、柔軟に対応できる民間病院のフットワークの良さと活力で対応して参りたいと思っております。
また、昨年より、新型コロナウイルス感染症の長期化、国際情勢や急激な円安の影響を受けて原油価格・物価が上昇する中、民間病院においても光熱費、燃料費、食材費等の上昇に大きな負担が強いられることになりました。もはや経営努力だけでは限界があり、地域医療、医療の安全・質が維持できるよう、政府には、政権与党を通じて、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金等の活用、京都府知事・京都市長には、民間病院への臨時交付金等の活用、自治体独自の緊急対策支援・税の減免措置等を緊急要望いたしました。
一方で、我々民間病院は、外来・入院患者数、病床稼働率の低下等、コロナ禍で変容した受療行動に対し、疾病の早期発見、早期治療が遅れないようWith・Afterコロナにおいてどのようにコロナ禍前の状況に戻していくのか、また、間近に迫った2025年に向けて入院・外来の機能分化・連携にどのように対応していくのか、ビジョンを持って取り組んでいかねばなりません。
2023年は、施行目前の医師の働き方改革への対応として、宿日直許可申請が本格化します。当協会が京都府から受託する京都府医療勤務環境改善支援センターでは、宿日直許可に係る多くのご相談に対応しており、宿日直許可取得に向けてサポートいたしますので、是非ともご活用下さい。また、2024年4月の診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬のトリプル改定、医療計画、介護保険事業(支援)計画等の見直しに向けての議論にも京都府内の民間病院を代表する団体として、しっかりと対応して参ります。
本年も当協会として医療の質の向上や医療を取り巻く様々な課題の解決に向けて各々の事業に取り組むとともに、行政や各関係団体と連携を密にして、京都府内の医療・介護・福祉に寄与していく所存ですので、会員施設をはじめ関係各位には、ご協力、ご支援の程、何卒宜しくお願いいたします。
結びに、本年を通じて皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
令和5年1月1日
一般社団法人京都私立病院協会 会長 清水 鴻一郎