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その他のお知らせ

2016年1月1日

新年のご挨拶(会長 清水鴻一郎)

皆様におかれましては、輝かしい新春をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。
旧年中は当協会の諸活動にご支援・ご協力を賜りましたこと心より御礼申し上げます。
さて我が国では、超高齢社会・人口減少社会の中、2014年6月に成立した医療介護総合確保推進法の施行により、昨年から医療・介護制度の在り方の見直しに向けた動きが本格化しています。
その中でも特に「地域医療構想」は、病院医療に大転換をもたらすものであり、国はこれまで一つの病院・病床で完結していた入院医療を、患者の状態、医療内容によって病院が役割分担する方向へと誘導しています。しかし、その中で切れ目のない医療を継続するには、病病・病診間、病院・地域との連携を担うより多くの人材・社会資源が必要となり、また、患者の利便性が損なわれることになりかねません。国のガイドラインに基づく2025年の必要病床数の計算によると、京都府の現状は300床から900床の過剰との結果が出ています。他府県に比べ影響は少ないように見えますが、地域によって病床機能に偏在があり、机上のみによる病床削減や機能変更によって患者への医療に支障が出ることのないよう、本年も当協会としてしっかりと対応していく所存です。
平成12年4月の介護保険制度施行で創設された介護療養型医療施設は、わずか6年で廃止が決定し、その後我々の働きかけにより廃止期限は延長されたものの、現状では平成30年3月末で廃止となっています。
こうした医療・介護制度改革の行き着くところは社会保障費の抑制ですが、一方で我が国の防衛費は平成28年度に初めて5兆円を超える見通しであり、4年連続で増加し続けています。かつて我が国が経験した戦争は遠い過去のものとなり、軍備増強が図られていますが、優先すべきは社会保障の充実や経済力をより高めることではないでしょうか。
安倍首相は、最重要施策の一つとして特別養護老人ホームの拡充をあげていますが、その前に病院の看護助手も含め、介護する人材の一層の確保・定着を図ることが必要です。また、国が目指す「仕事と介護が両立できる社会づくり」と、社会保障制度改革の目指す「医療から介護へ、施設から在宅へ」は相反した政策のようにも思えます。
国はその時々の状況により政策や方針を変え、矛盾もある中で、我々はどのような状況に置かれても柔軟に対応できる体制を整えておく必要があります。当協会では、今年度より地域医療介護総合確保基金事業として、医療従事者の確保・定着・資質向上、在宅医療・介護の人材育成・連携に係る事業を新たに実施しています。昨年1月より「京都府医療勤務環境改善支援センター」を京都府から受託し、病院事務長経験者、常駐の社会保険労務士による病院訪問や随時の相談対応、研修会を行っています。また、医師をサポートする医師事務作業補助者の養成、在宅医療・介護の知識の充実・病院間の連携を図るための研修を新たに実施するとともに、職種別・テーマ別の研修を例年にも増して開催しています。更には京都府・京都市への予算要望、平成28年度診療報酬改定への要望、行政・関係団体の審議会への参画等、積極的に当協会の要望・意見を発信しています。
このように当協会では、厳しい時代であるからこそ一層力を入れて各種事業に取り組み、会員の皆様が医療・介護制度改革に対応し得る力を付けて頂けるよう努めていますので、十分にご活用頂きますとともに、本年も当協会の活動に変わらぬご支援・ご鞭撻を賜りますようお願いいたします。
結びにあたり、今年の皆様のますますのご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

2016年1月1日
一般社団法人京都私立病院協会
会 長 清水 鴻一郎

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